ボードゲーム関連の告知、報告、雑記。

2017年01月04日

レビュー・コンテナ

Container (2007)
Designer: Franz-Benno Delonge, Thomas Ewert
Publisher: Valley Games, Inc.

何をどうするゲームなの?
乱暴に圧縮すると「コンテナを国内で生産、買い付け、販売、海外に輸出するよ!」
惹き句的には「多国籍グループ企業を操りコンテナ王になるのだ!」という感じです。

最終決算で
@所持金
Aコンテナの種類と数に応じたお金
B終了時にコンテナ船と港にあるコンテナ数によるお金
により合計金額が一番多い人の勝利です。

コンテナ2.jpg


コンポーネントは各自のマイボードのほかに共通の島1つ(外国にある島という設定らしい)、1隻のコンテナ船(評判どおりにもろい素材で、私のも1隻船首が欠けてます・・・)。
そしてたくさんの コンテナ。簡素だけど重厚なデザインで好みなのです。


基本的な流れ
@ 自分の工場でコンテナ生産、出品→他プレイヤーへ売却
A 他プレイヤーから購入したコンテナを港で出品→他プレイヤーへ売却
B 誰かが外国の島へコンテナを輸出すると輸出者以外のプレーヤー間で競り

序盤この流れがなかなか頭に入らずでサマリー見ながらプレイしました。ボドゲ初心者が入る場合は特にサマリーの準備をオススメします。


プレイログ
実際のプレイについての粗い、印象に残る点中心のログです。スタートプレーヤーから黄、赤、緑、黒(私)の順。ちなみに「緑」はより正確には「ライムグリーン」で、オフホワイトに近い「白」の船とは見間違いやすい配色。首をかしげたくなる・・・

今回は4人、時間短めのショートルールを採用で、インスト30分、プレイ130分でした。

<序盤>
・黄色は工場買い付け、港買い付けに積極的。
・赤、緑は生産能力を高めて生産モード。黄にコンテナを提供する。
・黒は他プレイヤーと別路線を歩むべく倉庫を3つまで増設(これが後々響く)。
・黄に資金を吐き出させるため黒は借金のうえ競りに参加(落札できず)。
・黄が輸出(競り)を積極的に行い、輸出コンテナ数でほぼ独走。
・緑、赤、黒の順で輸出(競り)を仕掛け始める。
・競りにかかるコンテナ数は1,2個が主体。

<中盤>
・緑が工場製品売却で得た資金力を武器に生産、港買い付けを積極的に行う。
・競りにかけるコンテナ数は2〜3個が多く4個は数回のみ。
・緑がコンテナ数でほぼ黄に並ぶ。
・赤、黒も輸出を行うも2個が多く、大商いにまでは至らない。
・黒は借金地獄(毎ターン借金10$に利息1$を返済します)からなんとか脱出。しかしすでに5$失っている。
・黒は倉庫3つ有するも資金不足で工場買い付けがままならず、港ストアに3つ出品できない「倉庫の持ち腐れ状態」に。
・各人の製作機械の種類により(自社工場には5種類のコンテナのうち4種類まで製作機械を設置し、コンテナ製造ができます)、欲しいコンテナがおぼろげながら分かる。

<終盤>
・赤が輸出数でほぼ黄、緑に近づく。
・(おそらく)コンテナの種類と個数の帳尻合わせのために、緑出品のコンテナを黄が高額落札(24$獲得?)。緑が潤沢に。
・赤、黒は工場買い付け、港買い付けを行いたいが適当なものが見つからず。
・緑以外は港買い付けを粘り輸出(競り)の機会をうかがうが、緑が終了トリガーを引く(コンテナ2色がストックゼロになると終了)。
・結果。緑96$、2分の1馬身で黄、1馬身で赤、最下位は65$で黒。全員ボーナス加点を得た(全色コンプして初めて得点になるコンテナが各自1色あります)。

コンテナ3.jpg


以下感想です。初プレイなので深まりのない雑ぱくなものです。


「経済を回す」と言うこと
ルールの大きなフレームは2つです。
  @自作コンテナを製作+出品
   →他人が購入+出品
   →自分で購入+競り
   →資金獲得
  A他人がコンテナを製作+出品
   →自分で購入+出品
   →他人が購入+競り
   →コンテナ獲得

コンテナの流通については必ず「他人の値付け」というワンクッションが入るため思惑通りに事が運びません(上の赤字部分)。これがこのゲームの面白さを支え、おそらくテーゼ(命題)と言いうる部分(さらにその値付け自体も他人の値付けに目配せしながらのものになります。基本的な市場原理なので割愛。)。

そして注目すべきは「フレームの@、Aともにコンテナを生産しなければフレームは稼動しない」という点ではないでしょうか。
今回のプレイでは、序盤、コンテナ生産のアクションについては皆さんやや消極的(本ゲームは1手番=2AP(アクションポイント)。生産アクションは2APを消費するアクションです)。

しかし中盤当たりから「これ誰かが生産しなければ自分含め誰も得しないよね・・・」と直感的な気持ちを口々にし始め、全員が生産に力を入れ始めると、コンテナの買い付けや競りに活気が出始めるように。
さらに生産をコントロールすることでゲーム全体の流れを、自分に有利な流れにしようとの意識が見え、相互に感じ取れるようになって皆内心ザワついてくる(笑)。

大げさな表現ですが、フレームを動かす原動力としてプレーヤーの「気付き」を必要としていて、その気付きが鈍化していた場を展開させたのが非常に印象的でありました(このあたり熟達したボドゲーマーならすぐに気付くんでしょうけどね)。


コンテナだけでよいのか
コンテナ獲得による配点は各自異なります(コンテナ1つ2$〜10$。秘匿情報)。他方で「ゲーム終了時、各自が獲得したコンテナで最多数の色は強制廃棄」というルールもあるので、一つの色で独走することにあまり意味は乏しく(終了トリガーを引くという意味はありそうです)。
したがって、万遍なく各色揃えながら単価の高いコンテナを得ることが基本方針に据えられるべきことはたしか。

ただ、結果論的ですが、今回のトップの所持金は40$超で、2位との差は終了時の所持金でついたと言えました。流れ次第のところはあるでしょうが現金を軽視できるわけではなさそう。トップの緑プレーヤーは、生産+出品で「小さく繰り返し稼いだ」と中盤以降をふり返っていました。
マージナルプロフィット(限界利益、損益分岐)をイメージしながらも、手堅く基盤をつくるプレイが肝要なのかなと。

あ、あと借金はヤバイです。今回資金調達と、競りの際にトップをけん制するため試みに借金をしましたが、その後なかなか返済地獄から脱出できず苦しみました(借金完済後も利息支払いフェーズが頭を離れませんでした。笑)。現実世界と同じく「ご利用は計画的に」。


倉庫を増やすタイミング
今回私は早々と3つ目の倉庫を立てました。港ストアの出品数を増やすという独自路線を歩みたい一心です(出品上限=倉庫数×1)。
しかしよく考えてみると、商品とお金の絶対量の少ない序盤では倉庫をいきなり増やすことに意味はない!資金繰りを苦しくしてまでの増設は避けるべきなんでしょうね。

では増設のタイミングはいつなのか。
港ストアの出品数増は他人の競りを促進する意味を持ちます(通常は1回の入港でより多くのコンテナを購入したい)。また、自分が競り落としたいコンテナをより多く出品する意味ももちろんあります。
なので基本的にどこかのタイミングで増設(特に3つ目以降)は必要なのだろうけど、結局それ以上はよく分かりません。他人から出遅れることは得策ではないという程度でしか分析できません。

あえて出遅れる、あるいは増設しないという戦法も場合によってはありそうで、そこの試行錯誤も今後してみたいなと。


ショートルールを採用しなかったら?
今回は「コンテナーを各色、プレーヤー人数×3個とする」といういわゆるショートルールを採用しました。
おそらくこれを採用しなければあと1時間はかかり、3時間級のゲームになっていたと思います。かなり熟考して消耗する内容なので、初プレイでは採用必須ともう言い切っちゃいます。

では採用せずに通常ルールの場合どのような終盤の展開になるのでしょう。トップが終了トリガーを引くべくコンテナ生産に精を出し、他プレーヤーが競りを重ねていくのでしょうか。
この点工場の生産出品ラインには限界値あり(製作機械数×2)。終了トリガーはなかなか引けないかも。そのあたりの終盤の流れがどうなるか見てみたい気も。

もっともしばらくコンテナをプレイする際はショートルールを採用したく思います。なぜなら2時間以上は非常に疲れると思うの(笑)。


コンポーネント
先に触れたように全体的なデザインはテーマにふさわしく金属的で重厚な感じで良いです。
マイナス点はコンテナ船がもろいこと、緑と白の視認性がややいただけないことくらいが目に付く程度。噂される再販の際にはこれらの点は改善されるでしょう。コンテナ船は雰囲気はともかく機能的には紙製ないし木製で十分でしょう。

コンテナ1.jpg


まとめ
私自身、重めのゲームや1円単位まで読み切ることが必要とされる経済ゲームは苦手。でも不思議とコンテナにはその壁を乗り越えてみたいと思える独特の魅力を感じます。ペタペタ貼り付けられた特殊効果で派手な展開を演出するような作品とは正反対、骨太なルールでどーん!と体当たりしてくる衝撃。

絶版ではありますが、中規模以上のゲーム会であれば呼び掛ければ持込みがありうるゲームではないかと。全力でオススメしておきます。また今後いろいろな場所に持ち込みたいと思っています。


最後に、夭逝された本作の共同デザイナーの一人、Franz-Benno Delonge氏に哀悼の意を記してレビューを終わります。「こんなにも素晴らしいゲームに出会わせてくれてありがとうございます!

追記
Delonge氏の作品はコンテナ以外にも フィヨルド、トランスヨーロッパ、マニラなど魅力的な作品があります。ぜひプレイされてみてください。
posted by tennkyuu at 17:51| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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